世の中とは

自分だけかもしれない。
他の人はいつもそう考えているのかもしれない。

もう、世の中のことについては大体分かっているつもりだった。
人というものについて、大体理解しているつもりだった。

人の考える事、行動、そして結果。
同じ人間である自分を標本としてみれば、次の行動は予想ができる。
それは人間の理解にとどまらず、世の中のほとんどの事は予測ができるつもりでいた。


しかし、そうではなかった。

思いが行き届かない事はたくさんあった。
予想もしなかったことがたくさんあった。

なにより、知らない事がたくさんあった。

今、自分の思い描かない未来を、現実を目にしてこう思う。
「自分はなんて自惚れていたのだろう」と。

そして同時にこう思う。


「世の中とはなんと面白いものだろう」と。